窓の灯
著者
青山 七恵
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収載書籍
「文藝」2005.冬号
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第42回(2005年度)文藝賞受賞作。
こちらは22歳。
就職したばかりらしいが、仕事どうするんだろう・・・
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いい小説を書く人だな、と素直に思った。
例えば、以下のような描写は、年齢に比して成熟したものである。
「おそらく姉さんは突出した美人という訳ではない。それでも何かに疲れた人たちは、薄暗い店内の彼女の一挙一動に妙な神秘性をくっつけて、いちいち反応するんだと思う。姉さんはいつも手元で何か小さい作業をしながら、ただ飲み物を作って、タイミングよく笑い、時々、意味のわからないようなことを言うだけだ。」
ちなみに「姉さん」というのは主人公にとって赤の他人である。
ただ、この小説には、物語を構築する際のあざとい小細工が見え隠れし過ぎている。
このエピソードはいらない。この話はこうでいい。と思ってしまう部分が多い。特に最後の部分はむりやり「オチ」を作ろうとしている感じで、好きではない。
それでも、やはりこの小説を、いいな、と思えたのは、上述のような描写に支えられた空気感と距離感にあり、それが「何に対しての」ものであるかといえば、やはり「姉さん」に対してのものである。
だから、それ以外のエピソードが、無理やりに感じ、邪魔に感じている上に、ともすると「姉さん」との空気感さえ紛らわし、台無しにしてしまっている部分があった。
このあたりを工夫すれば、すばらしい小説になっていただろう。
とにかく、将来を期待させるものを持った作家である。
ところで、どうもこの小説は川上弘美の「センセイの鞄」のアンチテーゼとして書いたように思われるが、どうなんだろうか、ずいぶんと読んでいる人のようだから、不用意に「先生」という言葉を使ったとは思えないのである。
まあ、少なくとも読んでいる僕は感じてしまったのだ。恐るべきは漱石の呪縛哉。
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